ガイドの模様 N9

奈良の近代建築物をみてまわる(2022.12.18)
 ~奈良って「東大寺」「大仏」「鹿」だけやないですよ~

 今回は、重要文化財や登録有形文化財、近代化産業遺産など、奈良市内の明治維新以降の建築物を見学するツアーです。
寒い日でしたが、「午前中に講演講座グループの奈良検定2級講座に参加後に来ました」という方や東京、千葉、九州から奈良に移り住まれた方など、皆さん熱心にその歴史と 現状を学んでおられました。

【コース】
旧国鉄奈良駅舎(奈良市総合観光案内所)⇒旧六十八国立銀行奈良支店(南都銀行奈良本店)⇒菊水楼本館⇒奈良ホテル⇒旧奈良県物産陳列所⇒旧帝国奈良博物館本館(奈良国立博物館)⇒旧奈良女子高等師範学校(奈良女子大学)⇒旧奈良県監獄署

 
旧国鉄奈良駅舎(旧国鉄奈良駅舎・奈良市総合観光案内所)

 明治23年に誕生した建物は、昭和9年に奈良らしい
 寺院風のデザインに改装され、2代目の駅舎と
 なりました。現在は観光案内所となっていますが、
 屋根には九輪、四隅には風鐸、宝相華や唐草文様
 など建造当初の意匠がそのまま残っていると聞いた
 お客様は「今まで気がつかなかった!」と感心され
 ていました。[近代化産業遺産]


南都銀行本店(旧六十八国立銀行奈良支店・南都銀行本店)

 「いつも見慣れた南都銀行本店って国の登録有形
 文化財だったんだ」と驚きの声。
 実はこの建物は昭和9年「第六十八国立銀行」
 奈良支店として開設されたものだったとか。
 イオニア式の柱が美しいギリシャ風の近代建築
 です。



菊水楼(菊水楼本館)

 明治時代の中頃、岡本善藏氏が興福寺塔頭
 「興善院」とその周辺約3500坪を入手し、開業。
 要人の迎賓館としての役割があったり、戦後、
 進駐軍に接収され多くの財産を失ったりしました
 が、昭和32年旅館業を再開。
 正門、庭門、本館、旧本館が国の登録有形文化財
 です。


奈良ホテル(奈良ホテル)

 明治42年、辰野金吾が設計、開業した奈良ホテル
 は和洋折衷方式で、大正~昭和初期の時代は最も
 華やかな時代でした。吹き抜け格天井、和風シャン
 デリア、マントルピースなど、調度品の数々も見ど
 ころです。今回はSDGsを意識したコルクで作っ
 た飾りのついたクリスマスツリーも見ることが
 できました。 [近代化産業遺産]


旧帝国奈良博物館(旧帝国奈良博物館本館・現奈良国立博物館なら
 仏像館)(重要文化財)

 国内で二番目の帝国博物館として明治8年に開館
 した帝国奈良博物館。フレンチルネッサンス様式の
 重厚な外観にお客様は改めて近代建築に魅了されて
 いました。




奈良女子大学(旧奈良女子高等師範学校・奈良女子大学)
(重要文化財)

 平成6年正門、守衛室、本館(記念館)が重要文化
 財という歴史ある奈良女子大学を解説。本館の
 建物は明治42年竣工以来、改変されたところは
 ほとんどなく当時の姿をよく残しているそうです。




旧奈良監獄(旧奈良県監獄署・旧奈良少年刑務所)
(重要文化財)

 明治41年に竣工した奈良監獄は、ヨーロッパの
 城郭建築に見られるロマネスク様式。今後は
 資料館と星野リゾートが運営するホテルに生ま
 れ変わる予定で、内部の写真もたくさん紹介
 しながらご案内するとお客様は、興味深く聞き
 入っておられました。


 奈良は神社仏閣など古いものに注目が集まりますが、「奈良のことまだまだ知らないことが多いので参加して良かった」と近代建築の素晴らしさと新たな発見を喜んでおられました。そして、「ガイドグループのツアーはどれもいいですよね~」とお褒めの言葉もいただきました。 

                        写真:扇純子  文:増田優子

ご挨拶

奈良まほろばソムリエの会        ガイドグループ

奈良まほろばソムリエの会        ガイドグループ

NPO法人
奈良まほろばソムリエの会

奈良に精通する人材を認定する「奈良まほろばソムリエ検定」(奈良商工会議所主催)の最上級「奈良まほろばソムリエ」の合格者をはじめとする奈良を愛する人々の集まりです。