ガイドの模様 N4

柳本藩邸跡から山の辺の道、朝日寺跡へ(2022.10.30)
~織田有楽斎のお墓・山の辺の道沿いの古墳から朝日観音堂の御本尊を拝観~

【コース】
JR柳本駅⇒柳本道路元標⇒柳本藩邸跡⇒專行院⇒伊射奈岐神社・大和天神山古墳⇒
行燈山古墳⇒櫛山古墳⇒[昼食]天理市トレイルセンター⇒中山大塚古墳⇒燈籠山古墳⇒
西殿塚古墳⇒西山塚古墳⇒波多子塚古墳⇒夜都伎神社⇒朝日寺跡⇒JR長柄駅

織田信長の弟、藩祖 織田有楽斎(織田長益)から1万石を受領した初代柳本藩主 織田尚長は、現在の柳本小学校付近に陣屋を構えました。尚長の織田家は13代 織田信及まで、明治4年の廃藩置県までの255年間にわたって柳本を治めました。
  
N4-1
(柳本村道路元標)

 南北方向に続く上街道沿いに道路元標はあります。
 江戸時代、家臣たちは屋敷を与えられ、柳本の中心
 地として賑わっていた所です。




N4-2
(專行院)

 專行院境内の織田家の墓地には、藩祖織田有楽斎の
 お墓があります。鎌倉時代と伝わる阿弥陀石棺仏、
 幕末柳本藩によって、崇神天皇陵周濠が大改修され
 ましたが、灌漑用水の拡充により多くの農地に水が
 届けられ、感謝と喜びの「修陵餘潤之碑」が建てられ
 ています。

N4-3
(伊射奈岐神社)

 大和天神山古墳の西側に建てられています。正面の
 鳥居から入ると、社殿の立派さ感嘆の声があがりま
 す。織田氏によって拝殿などが造営され、織田信長
 を祀った「建勲神社」にも手を合わせます。



N4-4
(中山大塚古墳)

 前期古墳の中山大塚古墳の前方部に「祭り始めは、
 ちゃんちゃん祭り、祭り納めは、おん祭り」と謡わ
 れる大和神社の祭りの大和稚宮神社のお旅所があり
 ます。鐘を「ちゃん、ちゃん」と鳴らしながら練り
 歩く姿は、春の風物詩です。


N4-5
(西殿塚古墳)

 継体天皇の皇后「手白香皇女衾田陵」として宮内庁
 により陵墓管理されていますが、前期古墳の西殿塚
 古墳と6世紀の継体天皇の時代とでは時期が異なり
 ます。被葬者は誰なのでしょう。



N4-6
(夜都伎神社・拝殿)

 珍しい茅葺の拝殿は平成27年に葺き替えられまし
 た。祭神は春日の四神を祀り、社地と池の交換から
 生じた社名の混乱などの説明を熱心に聞き入りま
 す。


 
N4-7
(夜都伎神社・本殿)

 今年9月に檜皮葺から銅板葺に改修された本殿は銅
 板が輝いています。思わず「きれい!」のお声が聞
 こえます。




N4-8
(朝日観音堂)

 所有者の島岡様の説明もあり、特別に外から観音様
 を拝観できるように取り計らっていただきました。
 初めて訪れた方々には喜んでいだだきました。




N4-9
(朝日寺跡・石仏群)

 かつて奈良と長谷のお堂にこもり各夜修行する「隔
 夜僧」がいました。この覆屋には天文23(1554)
 年隔夜僧覚円造立の銘がある聖観音立像の石仏が祀
 られています。石仏に刻まれた消えかかった文字を
 確かめます。
 

                          文:扇純子  写真:辻村忠司