トピックス(吉野龍門の里)

滝の織りなす聖地・吉野龍門の里を歩く(2017.9.30)

 龍門は飛鳥・奈良時代の貴族たちにとって世俗を遠く離れた別世界であり、山中には龍門の滝があり山懐に龍門寺が創建されました。龍門の里を歩き、吉野山でない龍門岳・吉野川の原吉野の歴史の舞台をたどりました。

<行程>
近鉄大和上市駅→吉野山口神社→龍門寺跡→龍門の滝→山口薬師寺→菅生寺→
平尾代官所跡→芭蕉句碑→佐々羅の街並み→妹山樹叢と大名持神社→近鉄大和上市駅
(約6・5キロ)


 爽やかな秋空が広がっています。17名が近鉄上市駅に集合。コミニュティバスに乗り込み出発です。神社、寺跡、滝、句碑、寺等、実りの秋の龍門の里を歩きました。

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       <吉野山口神社>
 大山祗神をお祀りする宮で「龍門大宮」「天満宮」「吉野山口神社」と名前が変わっています。紀州藩の参勤交代の道沿いでもあり、石灯籠が寄進されています。

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        <龍門寺跡>            
 古代山岳寺院のひとつで、奈良時代初期の瓦などが出土し、室町時代に廃寺。水音と足裏にやさしい山道。人間臭い久米の仙人の話も出、なごやかに山を下りました。

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        <龍門の滝>         
龍門の花や上戸の土産にせん  酒のみに語らんかかる滝の花     
芭蕉はその後吉野山に向かいます。

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         <菅生寺>
 龍門寺の別院。龍門寺の衰退と共に浮き沈みを繰り返し、庫裡には神武天皇から今上天皇までの肖像画が並んでいます。和尚さんに話をお聞きしました。

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       <龍門・実りの秋>
 当地・平尾で起こった農民一揆。その後年貢が軽くなったということはありませんでした。今日は小学校の運動会。実りの秋の景色に200年前に起こった一揆のあとはみじんも感じられませんでした。

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      <佐々羅の街並み>
 中世に龍門寺の荘園として発展したこの地の中心で、吉野と宇陀を結ぶ街道集落。
ひときわ立派な坂本邸は南都銀行の前身・吉野銀行、近鉄南大阪線の前身・吉野鉄道の創始者の屋敷。坂本龍門文庫を持つ。

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     <妹山樹叢と大名持神社>
 こんもりとした杜が左に現われ、道は吉野川に突き当たりました。
大名持神社は9世紀に正一位を与えられた謎の神社で、大汝詣りと呼ばれる民俗行事が現在も伝わっています。


 世俗の垢が付いていない聖なる地・龍門ですが、江戸時代、水が涸れて米が実らなければ上納が出来なく、村人の生活はたちまち窮することになります。里を潤す山からの水は天からの水でもありました。

 奈良盆地南部の地域の人にとって吉野川は聖なる川とされ、大名持神社の河原の石と水には霊力が宿るとされていました。大台ケ原に源を発する吉野川の水を奈良盆地に引くことは先人の切実な願いでありましたが、津風呂湖ダム、吉野川分水により願いが叶えられました。

 今回は“水”をテーマに龍門を歩き実りの秋を目で楽しむことが出来ました。
参加者の方々も熱心にメモを取っておられましたが、中国の故事に慣らい今日ここに来たことがおひとり、おひとりの登竜門となることをお祈りいたします。皆様、ご参加ありがとうございました。
 
プロフィール
奈良をよく知り、奈良を愛するボランティアガイドのグループです。奈良の本当の素晴らしさを皆様にお伝えします。 奈良観光のご相談も、お気軽にどうぞ。

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